ヘクター87

キャラバンよ、永遠に・・。

1986年前後、ハドソンが主催していたファミコンキャラバンが高橋名人が火付け役となり、ファミっ子たちに絶大な支持を受けていた時代が
ありました。そのファミコンキャラバンのバブルをはじけさせた作品がこの1987年発売のヘクター87です。なんせ、このゲーム、色々な諸事情が
あったせいで発売されたのがキャラバン大会開始のわずか一週間前、この頃、高橋名人が逮捕されたという噂も各地で蔓延し、おまけにこの
ヘクター87は前キャラバンのスターソルジャーや前々キャラバンのスターフォースより、明らかにスピード性や爽快感に欠ける作りだというのも
重なり、あまり人が集まらなかったそうです。この後もキャラバンは続きましたが、PCエンジンのゲームに屋台替えし、子供達が集まるゲーム大会
ではなく、ゲームマニアの集まる大会へと変貌していきました。ハドソンもこれでは駄目だと1度思った事があるらしく、1991年にPCエンジンで
「スーパースターソルジャー」を発表し、当時コロコロコミックで連載されていた「電脳ボーイ」というマンガで高橋名人を復活させ、もう一度あの
熱い夏を!!といった事をやってた事がありますが、5年も経って、コロコロの読者層も入れ代わっていたため、もはや手遅れで、結局この時の
大会もシューティングマニアしか集まらなく、再び一般層を巻き込む試みは失敗に終わりました。その後、なんとキャラバンはひそかに2000年
ぐらいまで続いていたらしく、その頃はもうテレビゲームではなく、小さいカードバトル大会にまで格が下がっていたそうです。どこかのデパートで
やってた時は「高橋名人がそのデパートにやってくる!!」というキャンペーンを張った事もあったらしいですが、おもちゃ屋の前に小さいブースが
設けられていただけのもので、当の高橋名人は店員に仕事の邪魔者扱いさえ受けてたらしいです。僕らの頭にはキャラバンカーに乗って、夏休み
中全国行脚をしたり、テレビ番組に堂々と出演していた姿が焼き付いてるだけに、時代の流れとその厳しさをまざまざと見せ付けられます。
 話はそれましたが、このゲーム、僕は結構好きです。確かにスターソルジャーやスターフォースのような、濃いボーナスキャラや、派手さは
失われていますが、硬派なシューティングファンにはばっちりの難しさを備えています。特に音楽や背景の美しさを評価している人は今でも結構
おられます。僕もかなり気に入ってます。ステージも、ムー大陸や邪馬台国、3億年前の世界といった時間を超えたバイオ生物との戦いを舞台に
置いてるだけに、独自性が濃く、いいと思うんですが・・。
 ただ、このゲーム、かなり難易度が高く、スターフォースやスターソルジャーの比ではないので、初心者さんはやらない方がいいかも・・。
あと、自機がパワーアップしていく事に喜びを感じる人も向かないかも・・。このゲーム、自機は一切パワーアップできないんで・・。

 

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