北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ

ファミコンで本格派サスペンスが!!驚異の傑作!!

1987年にファミコンでアスキー(現エンターブレイン)より発売された堀井 雄二原作の推理アドベンチャー第2弾の作品です。これは第1弾の
ポートピア以上に面白かったです。なにしろ、2時間ドラマのサスペンスのように、次から次へと殺人事件が起こり、そのストーリーの展開の持って
行き方が下手なサスペンスより数段上で、当時ストーリーにおいては全然力が入っていなかったゲーム業界の中でもこのシナリオの質は
トップクラスだったのではないでしょうか?それになにより、ポートピアではアイテムを探すのは、ドット単位の調整が必要でしたが、このゲームに
おいてはかなり見つけやすくなっています。ちゃんと前作の悪かった面は直されています。
東京湾であがった死体の調査からはじまり、舞台は北海道へと移り、話はプレイヤーの想像を超える域まで発展していきます。
また、FF1で橋を渡った時にオープニングが流れるという演出はあまりに有名ですが、このゲームの方が実はFFより早く、映画的演出を取り込んで
います。
あとこのゲームは捜査を進めているとどうしても詰まる所が何箇所かありました。そういう時は、パスワードを取って一度ゲームを中断するか、
部下の猿渡 シュンスケとトランプ勝負をして勝つと捜査が進むこともありました。当時、高橋名人が「ゲームは1日1時間!!」という迷言を言って
ましたが、ゲームにも息抜きが必要という堀井氏のメッセージでしょうか?
コロポックリのゲンさんや代議士の「あくつ ひでお」などいい味を出したキャラも多く、特にコロポックリ店内で流れる曲はかなり気に入っています。
ちなみにこのゲームは現在携帯電話でもプレイできるそうです。

 

 

ちなみにさすがは堀井 雄二。さりげないところにニヤリとくるファンサービスが入っています。上記の2つの場面はドラクエ受けしていた子供達は
大喜びしたと思います。堀井氏は他にもポートピアの時にも山川屋敷の地下迷宮で「あたたたたたた〜!!」と、北斗の拳を連想させるシーンや
「もんすたあ さぷらいずど ゆう」というよほどのゲームマニアにしか分からない遊び用語を壁の落書きに書いていたりと、当時から遊び心も満載の
人でした。ほんと、優れたゲーム作家さんです。ちなみにこのゲーム、パソコンPC-88版でも発売されていて、ファミコンでは札幌駅がラストだった
のが、パソコン版では摩周湖が舞台のクライマックスだったそうです。また、パソコン版では「ポートピア」のOOがチラッと登場し、刑期を終えた
彼の複雑な心境が描かれているシーンもあるそうです。ファミコン版にも入れてほしかったです。

 

 

ポートピア連続殺人事件

ファミコン世界にアドベンチャーを持ち込んだ野心作!!犯人はなんと・・。

1985年にエニックス(現スクウェア・エニックス)より発売された、ファミコン界にアドベンチャーという分野をもたらした歴史的一作です。
”こめいちご”とか言われた日にはニヤリとくるファンも多いはずです。山川屋敷で起こった密室殺人の犯人を見つけ出すのがこのゲームの目的
ですが、捜査を続けるうちに事態は二転三転と変化していき、何より真犯人が分かった時の衝撃は手塚 治虫のマンガ張りの衝撃を受けます。
はっきり言って二度は使えない秘技を1作目にしてまざまざと見せ付けられた衝撃は、どんなアドベンチャーやサスペンスドラマでもかなわない
でしょう。当時、ほんと変わったゲームだったので滅茶苦茶遊んでました。虫眼鏡であちこち探したり、あちこちに電話をかける事が出来たシステム
はほんと遊びまくりました。0000000000とかけるとリカちゃんが出てくる演出もよかったですね。取調室で男だろうが女だろうが容赦なく
殴ったり服を脱がせたりできるのも面白い点です。しかし、1ドットずれてたらアイテムが見つからないしらべるコマンドだけは参りましたが・・。
音楽が一切流れないのも時代を感じさせます。これもオホーツクと同じく、パソコンからの移植作品ですが、ファミコンでは当時、使えるカタカナが
限定されていて、ゆきこの「ペンダント」をファミコンに移す時、「ゆびわ」に変更したり、パソコンではキーボードでいちいちコマンドを打ち込まないと
いけなかったものを、ファミコンでは画面に表示されているコマンド名をカーソルで選択するとすぐ使えるという、今では当たり前すぎる事ですが、
当時としては誰も考えつかなかった事を見事に実現したゲームでもありました。これなくしてドラクエはなく、しいては他のRPGも無かったといっても
過言ではないでしょうか。まさにアクションやシューティングが主流だったファミコン界に新たな光明を与えた作品でもありました。
しかしこのゲーム、セーブ機能は当時の事なので仕方ないにしても、せめてパスワードくらいは欲しかったですね。
あとこのゲームは現在携帯電話でも遊べます。

 

追記:この当時、アドベンチャーゲームはパソコンファンにとってパソコンでしか遊べない聖なる領域でした。しかし、ファミコンでこのゲームが出る
というニュースが流れたとき、当時のファミコンの移植作品はスケールダウンされて発売されるのが当たり前(特に有名なのはゼビウスでナスカの
地上絵が省かれた事。)だっただけに、パソコンファンはこのゲームの発売前からファミコン版は邪道のレッテルを貼ってたそうです。
また、ポートピアから話が変わってドラクエになりますが、今でこそスライムといえばかわいいキャラというイメージがつきまといますが、当時の
ゲーマーにとってスライムとは、ウィザードリィに登場するドロドロした不気味な液体状の生き物の事を指していました。当時、ドラクエのキャラデザイ
ンを鳥山 明に注文した時も「ドロドロした不気味な生き物でお願いします。」という発注がかかってたそうですが、鳥山 明はこれが書けなかった
らしく、結果出来上がってきたイラストが、今では誰でも知ってるあのスライムだったそうです。もちろんこれにも当時の熱烈なウィザードリィファンや
RPGファンは怒号の叫びをあげたそうです。

「あんなのスライムじゃねえ!!」

ウソのような本当の話です。今ならドラクエのスライムを見てもこんな事いう人絶対いないでしょうが、当時としてはそれだけ衝撃的な出来事
だったのでしょうね・・。

 

更なる堀井雄二サスペンス

軽井沢誘拐案内

堀井雄二氏のこのサスペンスは3部作続いたそうです。その最終作がパソコンのみで発売された軽井沢誘拐案内だそうです。しかしこれは
前2作と違い、殺人事件は起こらなかったそうです。上記の画像は行きつけのサイトから頂いたものですが、そちらでも紹介されておられましたが、
上記の画像のようなシーンが多いのと、過激なエッチな画像もあったらしいので、ファミコン化されなかった向きもあったようです。
ちなみにこの作品にはポートピアの「ふみえ」も登場したらしく、兄の犯した犯罪を悔やむ痛々しい姿が表現されていたそうです。(僕はこのゲーム
やった事がありません。)

 

まだある堀井雄二未発表作品

ソヴィエト殺人ツアー・「白夜に消えた目撃者」

九龍の牙

  

オホーツクに消ゆと、軽井沢誘拐案内の間に、ログインソフトから白夜に消えた目撃者というのも発売される予定があったらしいです。
これは一つ選択肢を間違うと即死亡という、「サクラ大戦物語 ミステリアス巴里」と同じような仕様で作られていたそうです。上記の画像が制作段階
のときのラフコンテらしいです。この画像もいきつけのサイトさんからいただきました。ソヴィエト殺人ツアーと、面白そうなタイトルがついてるだけに
企画が消滅してしまったのが残念です。是非今でも作って欲しいですね。あと、更に未発表作品で「九龍の牙」という作品もあったそうですが、
こちらの詳細は分かりません。タイトルだけ見てるといかにもヤクザが絡んできそうな話っぽいですし、あのドラクエの堀井 雄二が任侠系の人を
描いたらどんなのが出てくるのかも気になりますね。

ポートピア連続殺人事件10分クリア法

ゲームを本気で楽しみたい人は見ない方がいいです。

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