新桃太郎伝説
あの寒い桃太郎伝説に重厚なストーリー作品が存在していた事があった。

 

桃太郎電鉄というボードゲーム、あまりに有名なので、誰でもご存知だと思いますが、実はこのシリーズ、電鉄シリーズが初の作品ではなく、
桃太郎伝説という、ファミコンで登場したRPGがデビュー作でした。当時のジャンプ放送局のスタッフだったさくま あきらがストーリーを練り、
イラストを土居 孝之が描いています。どっちかというと、このファミコン版は全体がものすごく寒いギャグの連発で話が進んでいき、桃太郎が
かぐや姫や金太郎、浦島太郎といった面々と力を合わせてえんま大王と戦うといった内容でした。後に出たPCエンジンの桃太郎伝説2も
敵こそ違えど、全体的な世界観はファミコン版のものを踏襲していました。
 1993年の12月にRPGシリーズ第4作目に当たる(91年にゲームボーイで桃太郎伝説外伝が出てたので4作目)新桃太郎伝説がスーファミで
発売されました。これは舞台と敵こそ、桃太郎伝説2の使い回しキャラも多かったものの、今までの寒いギャグがウリだった桃伝のイメージを根底
から覆しました。さくま あきらが大乗仏教と小乗仏教をテーマにした、一大文学作品と呼ばれる作品に仕上げるという、ものすごいコンセプトの
もと、制作しているので、確かに並みのRPGなどなぎ倒してしまうぐらいの重いストーリー展開と、16メガとは思えない内容の豊富さで今でも十分
通じる面白さを誇った作品に仕上がっています。実際のゲームのエンディングでは容量の不足で入らなかったらしいですが、最後、観世音菩薩が
光りと共に現れて、命について語るシーン等もあったそうです。ゲームとしても凝っていて、お祭りのミニゲームや、天気でゲームバランスが変わる
独特のバトルシステム、キャラがたまに反則的に強くなる絶好調システム、とんち問答のような凝った謎解き、20人以上いるパーティーキャラなど、
よく16メガに納めたなあ、と感心するほどの出来です。今でも各ゲーム系サイトでも絶賛の評価を浴びているところが多く、面白いゲームです。
ただよく見かけるのはメッセージウインドーが開くのが遅いという苦情を見るんですが、僕はそんないうほど遅いかな?と思ってるんですが・・。
この作品の後、RPG桃太郎は息を潜めてしまい、次に姿を見せたのは5年後の1998年に発売されたPS版「桃太郎伝説」でした。
このPS版は桃太郎伝説1、2、それと新桃太郎伝説のキャラをごちゃ混ぜにした今までの集大成のような作りをしていました。ただ、残念なことに、
こちらの作品は昔のギャグ調の作品に戻ってしまっていて、新桃太郎伝説のような重いストーリーではありませんでした。あくまでおとぎ話が
大団円を迎えて終わりというオーソドックスなものでした。これと違い、新桃太郎伝説のリメイクを是非出して欲しいところです。

新桃太郎伝説は、ニンテンドーパワーで1000円で書き換えられるサービスにエントリーされてたこともありました。
また、PS「桃太郎伝説」は、今では1800円の廉価版も売っています。

追記  この桃太郎伝説はシリーズ全て(GBの桃太郎伝説外伝は除く)、かなり難易度が高いです。特に、PCエンジン版の桃太郎伝説2は
普通じゃありませんでした。新桃太郎伝説はこの2に比べれば遥かに簡単になってますが、それでも今のレベルで見てみれば、やはり相当
難しいゲームです。ただ、2001年に出たゲームボーイカラーのリメイクソフト「桃太郎伝説1から2」の1と2の難易度は、シリーズ最弱というくらい
簡単なものに改良されてた事だけ付け足しときます。

 

戻る