萬画の意味

1989年、石の森章太郎氏は故手塚治虫氏に捧げる作品「風のように」の最終ページにこの萬画という言葉を載せました。
1997年3月に一部改訂されましたが、「日本の歴史」等の石の森氏の著作本の最終ページでよく見受けられました。
以下、石の森氏の文章そのままに載せています。

 

漫画は手塚治虫の出現によりマンガになりました。そして、その後は劇画やコミックと、名称を変えざるを得ない「巨大で不思議な表現形式」に変貌を続けました。
 一人の天才が吹き起こしたこの風を、「この“新しいメディアの風”を吹き止ませることなく、希望を込め、さらなる未来を送り込むためにも、マンガに“日本語による新しい名称”を与えてやらねばなりません。
・・・それが先達の意志を継ぐ、我々の務めのような気がします。

  萬 画 宣 言

一、萬画は万画(よろずが)です。あらゆる事象を表現できるからです。


一、萬画は万人の嗜好にあう(愛されるし、親しみやすい)メディアです。


一、萬画は一から万(無限大の意も含む)のコマによる表現です。
従って萬画は、無限大の可能性を持つメディアである、とも言えるでしょう。


一、萬画を英語風に言えば・・・Million Art。
  Millionは百万ですが、日本語の万と同じく「たくさん」の意味が
  あるからです。頭文字を継げれば、M・Aです。


一、M・Aは即ち“MA”NGAの意。

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