天照家庭訓いろは数え歌

 




私の家に代々伝わる家訓です。
古めかしい部分もあるけどためにもなるのよ♪
でも、私、この家訓を一度も守った覚えがないです…。

参考資料:京都市伏見区乃木神社 乃木大将家庭訓いろは数え歌

 
 
 

 

 幼(いとけ)なき小供に判るいろは歌読んで覚えて正義(まこと)行へ

 碌々(ろくろく)に知らぬ事をば談す(はなす)なよ深く問はれて恥をかくなり

 箸持らば(とらば)主人と親の恩を知れ吾が一力で飲食(くふ)と思(をも)ふな

 日本の教(おしへ)は仁義礼智信忠孝の道を忘れ給(たも)ふな

 方針の定めなき身は頼りなし只一念(ひとすじ)に家業励めよ

 平常(へいぜい)に手習嫌ひな子供衆は試験の時に恥(はぢ)をかくなり

 取り遣りと世間の義理を欠かすなよ勤めて家は倹約にせよ

 智慧(ちえ)のある人程ものに自慢せず能ある鷹は爪を隠すぞ

 悧巧(りこう)じゃと褒めるは親の愚痴心褒め損なひが多(おほ)くあるもの

 縫ひ針は女(をんな)の業の司なり覚えて暮らせ一生(いっせう)の得

 流浪する人の身元を尋(たづ)ぬれば栄耀驕奢(えいようおごり)の報ひなりけり

 お上より時々(じじ)に振れ出す御規則を守り給(たま)へよ四方(よも)の人々

 我儘(わがまま)は世間の人に憎まれて損はあれども得はないぞよ

 堪忍は吾が身の為めと思ふべし人に堪忍すると思ふな

 養生(ようぜう)は身の働きが第一よ流るる水(みづ)の腐敗(くさ)らぬを見よ

 大切な親の御恩(ごをん)を忘るるな無理があるとも言葉返(かへ)すな

 霊薬は口に苦くも身の薬甘き言葉(くち)には油断ならぬぞ

 算盤(そろばん)と読み書く事を精出せよ奉公するとも頭(かみ)に立つべし

 常に火を燈して金を延ばすとも慈悲心なくば最後(あと)は暗黒(くらやみ)

 寝る時も其の儘(まま)足を延ばすなよ先祖と親に礼をしてから

 成るべくは無駄なる事に出歩くな雪駄(せった)の金より減る家の金

 楽さうに絹着る人は楽ならず木綿物着る気こそ楽なり

 睦(むつま)じく家を暮すは堪忍の袋へ事を収め置くから

 狼狽(うろたへ)て欲に惚(ぼ)けたら家(いへ)倉も人の財布の中に入るぞ

 何時(いつ)とても変らぬ朝の早起きは大金持ちの神が宿るぞ

 飲み喰ひに驕奢(をご)れば遂に身の毒となりて病気(やまい)に増(まさ)る貪病

 恩受けし人を忘れて仇するな大事にかけて恩を返(かへ)せよ

 苦は楽の種子(たね)だと思ひ働けば天の恵みで楽は来るなり

 安々と暮すは吾が身の徳ならず先祖と親のお蔭と喜べ

 継父母(ままおや)に育てられたら尚更(なをさら)に産みの親より大切にせよ

 家来とて邪慳(じゃけん)にすれば御主人の恩を忘れて仇をするなり

 不孝なる者は必ず天罰で身の行く末に良き事はなし

 此(こ)の節は議論に強く理に敗(まけ)ず文字(もんじ)明るき人ぞ賢き

 益もなく使ふ金をば義理にせよまさかの時の用も便じる

 出来るなら人の無心は聞いてやれ吾れは云はずと窘(たしな)むがよし

 朝寝して居(を)れば入り来る病神貧乏神が後押をして

 幸(さいはい)を招く基(もとい)は朝晩に先祖に向ひて手をば合せよ

 金銭は使ひ失せば人のもの手にある職は大事なりけり

 遊芸は扨(さ)て二の次ぎよ算盤と読書(よみか)く事を第一にせよ

 召使ふ年期者をば撫恤(いたはれ)よ吾が子の可愛(かあい)さ思ひ比較て

 身持よくするは其の身の徳なるぞ人も褒むれば親も喜ぶ

 親切に人の世話をば仕て置けよ廻り廻りてよき事ぞ来る

 遠国の親戚とても間に合(あは)ず近くの他人は大事なりけり

 百姓は種子(たね)を絶やすな公事(くじ)するな鍬を放すな朝起をせよ

 物事は堪忍の二字を胸にあて短気慎め喧嘩口論

 聖人の教(をし)へと云ふも外(ほか)ならず質素倹約忠と孝行

 末々の事を思へば大切に家業大事と勤め励めよ

 けふよりも明日を大事と両親(ふたおや)に孝行せよや四方(よも)の人々

 

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